ローカルフリーランス日記

北九州地方に住むフリーランス。話を聴く人。イベント作り。創業機運醸成、防災、街づくり、引きこもり支援、博物館、フードイベント、句会、古代史研究会など。昔のことは→ https://works.toiroha.jp/500

良いイメージを共有して、社会を変えていく

まずは怒りを感じるニュースから

 という報道があったことをご存知の方も多いと思います。久しぶりに怒りを禁じえないというか、悲しくなるというか。情けなくなるというか。先日も同じような記事があって、とても複雑な気持ちです。

 始めは「酷い話だな」と思っていたのですが、そんな言葉で片づけていい話じゃないですね。もしかしたら学校や全体で悪いイメージを共有してしまっているのかもしれません。担任も言おうとして言ったのではない。でも口からその言葉は出てしまった。

 ファシリテーターとして会議に参加していても、カウンセラーとして会話をしていても「意図していない言葉」は良くでてきます。その「意図していない言葉」が一番コアな部分であることは良くあります。

 今回のことも、こうやってたまたま先生の口から飛び出してしまったのでニュースになっているのですが、その「イメージが共有されてしまっている」ということのほうが問題点なのではないでしょうか。「口には出さなくてもみんながネガティブにイメージしている」という状態が続いているということだと思うんですね。それはとても怖いことで、このイメージを塗り替えることは簡単じゃないな、と思うのです。

 

イメージを共有する体験

 ちょっと話は逸れるのですが、私は今週とても面白い経験をしました。運営に携わらせてもらってる、北九州創生塾ゼミ勉強会の話です。「古事記とシェアリングソサエティ」「キングダムと経営戦略」「ニューパラダイムの哲学概論」の3本。どのゼミも白熱の議論でした。とてもエキサイティングでした。

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 そこで何が行われたかというと、例えば「古事記ゼミ」では、全体の概略を話すことはほぼなく、【しらす】という平仮名の意味をひたすら共有しました。そこから自由に発想していくと、出てくる言葉は違うのですがなんとなく似たイメージを共有しているような感覚になりました。例えば、「梅干し」を言葉で表現しようとすると、いろんな言葉がありますよね。でも「梅干し」という言葉を発するだけで唾液が出てくるような。そんな感じに近いのかも。でももうちょっと上の概念かもしれません。それはおそらく「イメージの共有」なんです。

 

イメージを共有することの幸福

 言葉が違ってもイメージが共有できている感覚は、私にとってとても幸福だと言えるものでした。驚きだったのは、初めてお会いする方も多かったのにも関わらず、2時間程度でイメージが共有できるところまで辿り着いたということでした。「平仮名の持つ力」は本当に凄いなと改めて感じましたし、これがコンテクストなんだとわかりました。「文脈」とか「背景」と訳される言葉なんですが、言葉にできないコンテクストはたくさんあるんだと気づきました。

 「キングダムゼミ」は身内の戦略会議だったので、当たり前のようにイメージの共有ができていましたし、「哲学ゼミ」にもたくさんの驚きがありました。哲学に触れたことがないという方ばかりとは思えない、かなり最先端の議論に近づいたと思います。

 ここで言えることは「共通のイメージを塗り替えるためには、新しいイメージを作って共有し続ける必要がある」ということじゃないかと思うのです。その共有の過程には何度も何度も繰り返し伝えたり言葉を交わしたりしながら、コミュニケーションの質と量を増やしていく過程が不可欠です。


じゃあ僕自身はどうするのか

 先のいじめの話に戻りますが、ニュース化されることによって、さらにネガティブなイメージが強化されて共有されてしまっているおそれもあると思います。そのイメージを塗り替えることは簡単ではありません。

 でも、幸福な未来のイメージを、大人が作らなくてどうするんだという話です。大人たちが今のイメージを持っているから、子どもたちから出てきてしまうんです。それは幸福な未来を大人がイメージできていないという現状があるからではないでしょうか。

 大人たちがコミュニケーションを増やしながら幸福な未来をイメージし共有していく。簡単なことではないかもしれませんが、今回また一歩さらに進めたという手ごたえが自分の中にあります。たった3文字のひらがなだけで、イメージは共有できるんです。それもすごく深く。

 大人たちがそうやって幸福のイメージを共有することで、子どもたちが自然に幸福な未来を共有している。そんな北九州であってほしいし、微力ながらですが、そんな幸福なイメージを共有する場を作るお手伝いをしていきたい。そう考えています。