読書『ムーン・パレス』
どうも、活字中毒のYAPPYです。
国語力とメンタルを鍛え、成績アップを目指すこのブログ。
国語力は読む量に比例して上がるとお伝えしています。
てなわけで、読書についても触れていきます。
(ここは私の個人的趣味を語るページでもあります)
前回、ポール・オースターに触れました。
そのポール・オースターの著作の中でも一番好きなのは、
『ムーン・パレス』
です。
貧乏大学生必読の著。
私生児として生まれ、母を若くして亡くし、叔父さんとくらす主人公。
大学に通いながらも、叔父さんをも亡くしてします。
働くことを拒絶し、叔父さんが残してくれた膨大な本を少しずつ売りながら、
日々の糊口をしのいでいく。
底辺の暮らしの中で、自分の生きる意味をみつめていく。
そんな生活が続くわけもなく、
生活は破たん。下宿を追い出され、浮浪者のように暮らす。
限界の生活の中、友人に拾われ、
新しい生活を模索していく中で、
自分のルーツに辿り着いていく。
西へ西へと進みながら。
そして、父、そして祖父は。
といった、あらすじです。
西へ進んでいくというのは、
アメリカにおけるフロンティアと重なっているのでしょう。
主人公が貧乏暮らしをしている中で、
食べるものと言ったら、完全栄養食品の、卵だけ。
一日2個のゆでたまごだけを楽しみに生きているのですが、
そんな生活もそろそろ限界を迎えようとしていたある日、
彼は
卵を落としてしまうのです。
その時の描写が、垂涎。
たった1個の卵を落としただけなんですけど、
それこそが、
絶望なのです。
本当の、絶望って、こういうものかも。
でも、この物語には、希望が満ち溢れています。
貧乏大学生”だった”あなたにも超オススメ。
30代後半から40代男性にも、久しぶりに読書してほしい。
主人公が再出発を友人たちとムーン・パレス(という中華料理屋)で祝ったとき、
フォーチュン・クッキーの中から入っていた紙片には、
「太陽は過去であり、地球は現在であり、月は未来である」
との言葉がありました。
繰り返し、月はモチーフとして登場します。
先ほどの、落ちた”卵”にも、月をイメージします。
最後に残された未来がてのひらから、すり抜けるイメージ。
あなたにもきっとあるはず。
未来が手のひらからすり抜けて落ちる!と思った経験が。
でも、今、あなたは、そうやってしっかり生きている。
月は、希望であり、未来なんですね。
ポール・オースター最高です。
その他の著作にも、『ムーン・パレス』に連なるような要素がけっこうあるので、
始めの1冊はこれがおすすめです。
- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 平装-文?
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ちなみに、2019年4月12・13日に、門司港の中央市場にあるシマネコブックストアさんという古本屋で店長をさせていただくことになりました。よろしかったら、こちらもどうぞ~。
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