ローカルフリーランス日記

北九州地方に住むフリーランス。話を聴く人。イベント作り。創業機運醸成、防災、街づくり、引きこもり支援、博物館、フードイベント、句会、古代史研究会など。昔のことは→ https://works.toiroha.jp/500

自分のルーツを探す旅。そしてカタルシス。~読書:『また会う日まで』(著:ジョン・アーヴィング)

高校生にオススメしたい、本を読む素晴らしさ

やっぱり読書って面白いなあと思うのは、昔、読んだ本の中にも、何度も読み返したい本もあれば、お気に入りのシーンだけを何度も読みたいものがあるからです。

 

世の中には素晴らしい物語がたくさんありますが、何十回も読む本というのは、そんなに多くはないのでは。

 

って、1000年前の随筆みたいな話(枕草子とか徒然草みたいな)になっていますが。

 

人生で一番読み返したのはこれ

おそらく一番何度も読み返しているのはこれです。

はっきり言って、どのページどの文を読んでも素晴らしいの一言。村上春樹さんの小説やは大好きですが、この訳だけはオススメしないです。個人的には、ですよ。

 

 

今回は、お気に入りのシーンについて。

情景だけで言えば、僕が一番気に入っているシーンがあります。

その本は、恥ずかしながら自分で持っていないのですが、近くの図書館にあります。

福岡県の人口2万人くらいの街にある小さな図書館で、おっさんがこの本を読みながら涙ぐんでいたとしたら、それは確実に僕です。

この本です。

また会う日まで 上

また会う日まで 上

 

 

自分のルーツを探る話がメインで、僕にとっては、この『ムーンパレス』の話とシンクロするものがあります。あと、僕自身はあまりネガティブな物語が好きではないのですが、なんとなくポジティブな要素が多く含まれているのも、好きなところです。

これもオススメです。

 

あらすじ

逃げた父は、教会オルガニストにして全身楽譜の刺青マニア。
跡を追う刺青師の母と幼子が、北海の港町を巡ってゆく。
父を知らない息子は年上の女たちに溺愛されながら成長し、
やがてハンサムな映画俳優に――。

ってあらすじが 新潮社のサイトに。このあらすじだけでゾクッとしますね。

訳者インタビュージョン・アーヴィング『また会う日まで』(上・下)

(ほとんどネタバレないけど、訳者インタビュー読むのは、本編読んだ後のほうがいいかも。)

 

ラストシーン

話の流れとしては、映画で言うところのロードムービー的な感じなので、主人公であるジャックが子どもの時、大人になってから、様々な街を巡っていくような物語になります。

 

そして最後の街で、音楽のイメージと共に、私はいつもぐっと涙を堪えているのです。

いや、むしろ泣いているのです。そしてとても浄化されたような気持ちになります。

カタルシス。 

 

小説なのに、音楽のイメージ?と思われるかもしれませんが、その音楽をイメージさせる技術が、さすがジョン・アーヴィングなわけです。何度も何度も、物語の中でその音楽をイメージさせるんですね。

 

文字や言葉で、音をイメージする

これ、教会のオルガンなんですが、どんな音なのか、イメージできますか?

 

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もし、イメージできない中学生や高校生は、ある晴れた日にどこか結婚式場の横を通りかかった時に耳を澄ましてみましょう。日曜日の11時くらいがいいかもしれません。

きっとオルガンの音が聞こえてくるはず。そしてその音がとても大きく聞こえてきたら・・・と想像してみてください。

 

ちょっとでもイメージできたあなたには、超オススメの作品です。

また会う日まで 下

また会う日まで 下

 

 ちなみに下巻はこれ。

 

高校生に・・・と書きましたが、大人にこそ読んでほしい物語です。

自分自身を見つめる旅に、ジャックと一緒に出てみませんか。

きっと自分自身をもっと大切に思えるはずです。